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SSSS.GRIDMAN 感想 フォーエバー・新条アカネ

やらなくちゃいけないことがある気がするんだ…そう例えば『SSSS.GRIDMAN』の感想を書くとか…。俺にしかできないわけじゃないけど、やっておかないと気が済まない、なんかそういうアレ。

というわけで今更ながら書きますが、原作とされる『電光超人グリッドマン』は未視聴で、たぶんこれからも観ないだろうし、なんなら観たくないとまで思っている不誠実な輩の感想であり、ネタバレはもちろん、制作側の意図を無視した妄言も多分に含まれているのでご注意ください。

 

 

 

とりあえず1話ずつ雑な感想をば。

第1回 覚・醒

まずヒロインのキャラデザで一気に心を掴まれる。俺もアカネも、これが運命の出会いだったなんて気付いちゃいなかった。

全話観た後には冒頭の渡り廊下(屋上じゃないよ!)で退屈そうに佇むアカネの姿を思い出すだけでグッとくるし、ありもしない美少女との切ない思い出をリフレインするような感覚が気持ちいいんだ。

目覚めたら六花のような女子がいる光景を一人称視点で描いた臨場感にはドキドキしたし、中割り無しでテンポよく会話するシーンも印象的。

裕太は顔がかわいくて受け入れやすい男主人公。

内海がLINE(的なアプリ)のアイコンを自分そっくりのアバターみたいなもんにしていたのは本編を観終えた後でも意外だ。でも10年後にはウルトラマンのフィギュアとかをアイコンにしてSNSしてそう。

学校に着いて日常パートが始まると劇伴の無さが妙に目立ち、生っぽい声の演技やセリフの言葉遣いにギョッとしなくもなかったのだが、良くも悪くも珍しい表現ではあったので興味を惹かれたし、大雑把なことしか言わないグリッドマンの異質さがより際立って笑える。

アカネのバルタン星人は語り継がれるべき名シーンだ。何度も指の動きを練習したのかなって思うと愛おしい。

アカネが自由を求めているからなのか、ツツジ台高校の校則は非常に緩い。

紫パーカー美少女や、スカートを履いているのか疑ってしまうカーディガン美少女までもが教室に存在している統一感の薄さは学園モノとして新鮮。

モブクラスメイトのファッションにも個性を感じられるほどに作画・キャラデザ面がリッチな作り込みで、テレビアニメの中でも凄い力が入っているなとよく分かる。

BD付属のブックレットには偏差値が60くらいだと書かれており、俺の通っていた高校よりも20は高い。もしも試験を受けるのなら記憶喪失の裕太といい勝負になるだろう。

シーン自体は少ないが授業中の雰囲気も大したものだ。自分が通っていた高校は生徒の私語が当たり前だったので、あの静けさはファンタジー

アカネの成績も気になるけど、内海いわく才色兼備で才貌両全とのことで、顔の良さ以外はハッキリとしない。実際に外見しか良いところがない。

 

気だるげな日常パートから戦闘へ転換する無理矢理な勢いも楽しくて秀逸な作劇。

1話のグリッドマンはカラー的にエヴァ初号機っぽかったな。

墓地越しにグールギラスが見えるカットは多くの死を感じさせて恐ろしい。

作中全体で電柱やら電線が印象的に描かれているけど、おそらく繋がりや境界を意味して映しているんだろうと考えられる。

 

解散から翌日のユルいテンションにはツッコんでいいのか悩む。

 

 

第2回 修・復

危機の実感、キャリバー登場。そしてアカネの正体があっさりと明かされる。

青い目のキャラが味方で赤い目のキャラが赤みたいなネタもあるけど、『スカイライン』ってB級SF映画は逆なんだよな。

渡り廊下の昼メシ中にさりげなく見せたストローの噛み跡で幼児性が垣間見え、家では先生への怒りを盛大にブチ撒けて、マドンナ的イメージが一瞬でクソガキに転落してしまう(先生が感じ悪かったのはその通りだけど)

敵対関係を勿体ぶらない展開は観ていて気持ちいいですね。

ここから何度か登場するラムネのビー玉はもちろんアカネを表すモノで、瓶は世界を意味しているのだろう。アカネが怪獣の骨組みに込めている謎の玉にオーバーラップで繋げていたことからも明らかだ。キャリバーさんが瓶を斬ってビー玉を取り出していた描写は、彼らの使命を暗示するようにも見えた。キラキラする物が気になる猫みたいで可愛らしさもある。

そうなると六花が炭酸嫌いなのも意味がありそうですが、ただの好き嫌いに演出意図が含まれていたら普通にキモイなと思っちゃいそうなので深く考えないでおきます。

六花は被害者と仲が深かったわけではないけれど、消えてしまった事実にどうしようもない悲しみを抱いたり、裕太に直接「戦って」とは言えない面から良い子だなって感じる。

怪獣が出たら反射的にキャラが変わってしまう裕太は伏線でもあって、いろんな意味でおもしろい。

落ちてきた鉄骨をぶった切るキャリバーさん最高。

最適化されたグリッドマンのアクロバティックな動きや剣での攻撃はド派手だったけど、ガッツリと元ネタがあることやってんだよな〜。特に剣の構えはロボアニメに詳しくない自分でも気づく。

リセットされる世界で戦いの成果を実感できない裕太の後に映る先生の何気ない変化はスゲー好き。

アカネは更生の可能性まで根こそぎ奪っていたんですよね。

 

 

第3回 敗・北

常に雨が降っている陰鬱な雰囲気で、敗北とリベンジが詰め込まれた異常な回。

偶然見かけたアンチに躊躇いなく弁当を与えてしまう六花の行動は、冷静に考えれば危ういことではあるのだが、1話で内海に「憐れみみたいなもん」と評されてしまったアカネの施しと比べると、六花のそれは反射みたいなもんに感じられて好感が持てる。

アンチが変身してから教室に飛び込んでくるキャリバーさんの動きやアカネのワルそうな二ヤケ面はかなり良い。

そして戦闘後、ファミレスにてアカネが「怪獣に正体なんてあるわけないのにねー」とクラシックな怪獣論を説いていたが、アカネの目の前にいるアンチはどう見ても人間だし、そもそも喋って食事をしている時点で異端なので、自分にとって都合のいい解釈を固めてるタイプのオタクだなーと思ってしまった(とはいえ俺も怪獣については素人なのだが)

アンチに負けた裕太が戻らず落ち込んでしまう六花はかわいいし、不貞腐れる内海も嫌いにはなれんし、グリッドマンが消えてからクソ暇そうなアンチは切ない。

唐突に新世紀中学生が集結する流れは熱くてワクワクした。

マックスグリッドマンを見たアカネの「意味わかんないんだけど」は何度も聴きたくなるセリフ。

GANTZ』のハードスーツみたいなマックスグリッドマンはメカデザも動きも最高にカッコよくて、特に素早い殴り合いは1時間くらい観ていたくなるほど素晴らしかった。戦闘面では最も好きなシーンです。

 

六花のめんどくさそうな女感はサイコー。

弁当を投げつけるアカネのクソ具合が際立つ。

 

 

第4回 疑・心

本編の中で最も恐ろしいエピソードと言っても過言ではない。

昔は六花とアカネが一緒に登校していたという素敵な情報を得られるけど、それは設定でしかない記憶なのだろう。まだこの時点ではアカネが六花にほとんど無関心なので反応が薄く興味無さそう。気付いてないんだね…六花が近所にいる意味を。

バス内でアカネが感じ悪くなって黙り込んだ六花には笑っちゃった。

ヒロインが大学生の男と遊ぶなんて展開には頭が痛くなってしまうが嫌いじゃない(性癖)。

こういう時のなみことはっすは六花と真逆のテンションになるってのに、仲良く友人関係を築けているのがステキだよね。

LINE(的なアプリ)を開いたら新条アカネの名前を認識できる距離感がめちゃくちゃ羨ましくて泣けるし、グループの参加者一覧を開いて六花の写真アイコンを見ながら悶々としたすぎる。

アカネが六花とまともに話す機会を作れないのは仕方ないとしても、自分から参加しといて勝手に不快になってキレてる浅ましい態度は痛々しいよ。俺がいれば、一緒に抜け出しちゃおうかって誘ってる。

怪獣アイコンの件に関してArcadiaに悪意は無いだろう。彼らは本当に運が悪かった。JKとオフ会なんかするからだっ!

 

六花に対する気持ちをごまかす裕太にストレートな問いをぶつけまくるマックスには笑えたし、マスク着けたままパン食ってるの意味わからんし、戦闘においてはマックスグリッドマンが一番強いというリーダーらしい威厳も見せてくれる。

YouTuberが次々と消されちゃうけど、ソロになっても成功してるアイツの才能は凄いんだろうな。せっかく触手を使う怪獣が出てきたのに触手シーンは男だけっていう裏切りね。

流れ的に新しいウェポンを使うのかと思いきや、あえて一番強いマックスを選んでサッと片付けていたのは非常に正しい。アンチくんの「おのれ~!グリッドマン!」は小物すぎてカワイイな。

低スぺのジャンクだから全員出動すると処理できずに固まるってのはイケてる。

 

いきなりコンセントを抜いてしまう六花は天然ギャグ以外として見てもおもしろくて、タイピングはかなり速いのにPCの知識が深いわけではない変なバランスは、学校の授業とかMac的なノートPCを使っている影響なんだろうな。

 

 

第5回 挑・発

約束された水着回。クラスでラフティングをしたり怪獣が現れたりする話。

電車で眠った裕太が夢でアレクシスに刺されるグリッドマンを見るのだが、あのシーンは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のラストでカシウスの槍に貫かれた初号機と酷似していますね。

まぁそんなことよりも、一瞬しか拝めないアカネの私服を目に焼き付けておくべきだ。

夏に着るにはどうかしている長袖のワンピに、いつものタイツと同じカラーのオーバーニーソという素晴らしいコーディネートは、学校行事で普段と違う姿を見られる特別な高揚感も合わさって俺を何倍もアツくさせる。

実際に日焼けするのかは不明だが、アカネがサンオイルを塗られている様は非常に官能的でスケベでいやらしく、刺激的でエキサイティング。

思わず『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 Air』冒頭にある白濁に汚れたシンジの右手が頭に浮かんでしまった。六花は左手にジェルを垂らし右手で塗っていたのだが、もしかするとアレもエヴァを意識したシーンなのかもしれない。

その美しい肌に触れていいのは六花とアンチと俺だけだろう。君の太陽のような輝きでなら日焼け…いや、火傷しても構わない。

白々しいほどシンプルで露出の強い白水着は悩殺級の巨乳が映えて挑発的だし、俺色に染めたくなる無垢な印象も残す。無害そうな顔してそのボディ、周囲の視線を独占しかねない無邪気なあざとさが危うくて、海やプールには行かせたくないな。そもそも行きたくないだろうけど。

ぶっちゃけ六花さんのレイヤードビキニが一番好きなのはナイショ…

はっすがマスクを着けたまま参加していたけど、川に落ちたらマジで危険だぞ。

アカネはまるで川のようだ。環境で激しくも緩やかにもなり掴めない。カラダもアブない高低差。俺はとっくに溺れてる。

古間とまるさんが映らないのはサボったからだろうか?まるさんの水着姿が1番見たかったのにな~(*・ω・)

 

六花がモブ男子の遊びを見て笑ってるカットも良いよね。変に気取らず、アニメのヒロインというかクラスの女子だな~って感じ。

なんて思いながらも、周りと離れて陰ぶってる裕太がアカネに話しかけられているシーンが最も理想的なシチュエーションだ。

 

戦闘に関してはそこそこ不満がある。敵がデカすぎて画面の動きが少なくなるのは仕方ないとしても、ボラーと組んどいてミサイルとビームで勝つって何?OP詐欺だよ。

スケール違いの怪獣が出てくるアイデアは良いし、アカネのおっぱいもビッグスケールだし、ジャンクの移動がスリリングかつコミカルで楽しかったのだが、本当になんでドリル攻撃を描かなかったのか理解に苦しみます。

いやもしかしたら…あのドリルは男根のメタファーで、あえて貫くことなく凄まじい火力を水着回で生じた情欲として放っていた可能性もあるか… 

 

こういう水着姿は描いても下着は描かないってのがまた良いんですよね。

 

 

第6回 接・触

怪獣戦はおやすみだが、世界の謎がそこそこ明かされる。

裕太と怪獣少女アノシラスを監視するマックスがまったく木に隠れられてないの好き。

アノシラスが電車内で眠った裕太を目覚めさせるためにイヤホンを着けて「音楽にはね、目には見えないけど音の精霊が隠れていてね、そしていつも演奏する人の心を見てるんだ」と言っていましたが、ヘッドホンを音楽も聴かずに着けて閉じこもっているアカネと対比的だし、音楽というものはアカネ自身の抱えてる問題に関係している可能性もあるんですよね(後で少し掘り下げます)。

世界の説明パートでは、いきなり映されるカワイイCGと劇伴の「HumanLove」が異質で印象的なシーンに仕上がっていた。

アノシラスは裕太をグリッドマンだと信じて接していたので、この時点で裕太の正体を読み取ることは可能だったんだな…。

六花がアンチを洗ってあげるシーンは犯罪だと思います。

内海とアカネがスタバ的なところで話す展開には「ハァ!?」ってなったけど、案の定アカネの目的がグリッドマンだけで安心しましたよ…。

「怪獣が出ない回とか作っちゃ駄目だよね~」ってメタ的なセリフや「怪獣ってほんとは主役じゃん?」なんて過激な思想が内海と噛み合わないのウケる。同族かと思ったら解釈違いを起こしてしまう事故。飲み物を両手で覆って飲んでいた姿は、えっちだなって。

内海とアカネの会話を聞いていたくせに少しも疑わないボラーは駄目だな。

アンチとマックスとキャリバーの戦闘はかっこいい。新世紀中学生が生身でも強すぎて、変身前の本体を直接狙うような邪道展開も見事に回避している。グリッドマンと怪獣の戦いでもそうだが、アクロバティックなアクションが魅力的なんですよね。

アンチくんの「今日は見逃してやる~!」かわいい~!

 

 

第7回 策・略

裕太がアカネの正体を暴露しても信じてもらえないの可哀想。

六花と内海が冷たいというよりは、裕太の6話分の信用よりもアカネの刷り込みの方が強いってだけでしょうね。そこの設定が明かされるのは8話になるので、それまでは少しモヤってしまう。

学校に入ってきたアンチがパンを拾っていくのかわいすぎ。パンを踏むアカネはゴミ。

帰宅したらアカネがいるドキドキのイベントは羨ましすぎるよ。

デカいペットボトルを両手で持ってグビグビ飲んでから神様ヅラする君が好き。

枕をワサワサしてるのメチャクチャ興奮したし、手を組もうで脚を組んだ時のタイツの質感も素晴らしすぎて前屈みにならざるを得なかった。たとえ作画が監督の履いたタイツを参考にしていたとしてもだ!

「響くんの匂いがする」と枕を嗅ぎ、なぜか裕太の耳に息を吹きかけたりと…どう考えても勧誘とか媚び目的に留まらない好意を感じさせる性的なアプローチですよね。観ていると本当に頭が痛くなる。

アレクシスと対面するシュールさはけっこう好きだし、見てると腹が減るチャーハンもGood。 

アンチ作の怪獣は、その怪獣らしくない見た目と、グリッドマンを攻撃するためだけの特性からアンチらしさを感じられるナイスなデザイン。アンチの飛行形態はちょっとキモかった。

スカイグリッドマンとの空中戦はスゴイ機動力で迫力あったし、ヴィット1人に負けるアンチくんが雑魚すぎ。ヴィットやる時はやるんだな…。

被造物がクリエイティビティを発揮したと考えると興味深くて、アレクシスからすれば「本当の怪獣を創ることができるのは本当の人間だけ」らしいのだが、なぜ下に見るんだい?彼のアイデアは見事だよ。高尚ぶって「本当の作り手」「本当の作品」とかくだらないよ。アカネも「私にしかできない」とか自惚れやがってよ。何度失敗してると思ってんだ。お前のやってることは人殺しで最低の人間だよ。でも最低な君が好きだ。

もはやアカネとアンチは同等の存在になったと言えなくもない。

 

 

第8回 対・立

ついに始まる学園祭!

しかし嫌いだからってだけの理由で器の小さいアカネは襲撃の計画を立ててしまう!

自慢も兼ねた宣戦布告をしてくるアカネはかわいかった。目の前で怪獣模型を破壊したくなる。

学園祭の準備に勤しむ生徒達の雰囲気はなかなかのリアリティ。

部活に入ってない六花達はやることが少なそうだったけど、気取ってサボるアカネとは違ってクラスの企画には参加してるし、素直に楽しんでいたのは良いことです。アカネと古間はガチで何もしてないでしょ?

新世紀中学生が一般人にも認識されるようになって通報されてたのはウケる。

ただ内海を蹴ってるだけのボラーは見ていてダルいなぁ。

 

六花と内海の喧嘩は「どちらの意見も正しい。だからこそぶつかってしまうのかもしれない」に尽きるが、虐殺を繰り返してきた外道が説得で改心するはずもないし、内海の言う通り迎え撃つしかないのだ。

バスにて六花がアカネの説得を試みるシーンは神々しかったけれど、「私じゃない。私の怪獣がそうしたってだけ」が本当にクズで、六花が2話からずっと「そんなに仲良かったっけ?」に言い返しているのが好きだな。そういう気持ちって理屈じゃないんですよね。

 

学園祭当日、小さめのグリッドマンを先に出して非難を促し、なんとか学校を守ることに成功したらしいけど、アカネは気にせず学校まで突っ込ませりゃいいのにね。

アカネの「今日こそ私の力、見せる日なんだから!」から一瞬でフルパワーグリッドマンの勝利が確定する流れは非常に気持ちよかった。メカグールギラスはリメイク後も首の長さが仇になりすぎて哀しくなるわ。

「もうただのロボットじゃん」ってツッコミは本当に仰る通りで、スケール違いよりも邪道だなと思わなくもないんですけど、冷静に見るとメカにメカをぶつけている真っ当な流れでもある。

 

戦いの後、内海と六花がアッサリ仲直りしたのが良い。

夕陽の中の六花の笑顔が美しすぎて君しか見えなくなるんだよな。

対して真っ暗な部屋で沈んでいるアカネは哀れ。ざまぁないですよ。

 

 

第9回 夢・想

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物理的に敵わないと悟ったアカネちゃんが精神攻撃に走る回。

『キャプテンアース』23話の「真夏の夜の夢」にインスパイアされたエピソードなんだろうな。

軽く崩された特徴的な作画はキャラの表情が豊かで非常に可愛らしく、引いた画でも動きが細かくて目が離せないし、幻想的な演出やダイナミックなシーンでも活きていた。

終始アカネの顔面が良すぎて心の中でメチャクチャ叫んだよ。

 

「アンチくんは一周回ってグリッドマンのことが好きなんじゃないのかな」は割と重要。

 

電車と逆の方向へ走っているうえに一歩も進めてないアカネが痛々しくて、彼女の逃避がどれだけ半端なものか伝わってくる。俺のLOVE TRAINも止まらないよ。

裕太の夢は裕太の望みを見せているというよりも、アカネの望みを押し付けている感じだ。でもアカネが彼氏欲しいと思ってるわけでもなさそうなんだよな。こちらとしては頭が痛くなるイチャラブっぷりだし、俺を好きになればいいのに。墓地でデートすんなよマジで。

問川の墓石がトリガーとなり、やるべきことを思い出した裕太の腕に、空から降ってきたグリッドマンがアクセプターになって装着されたシーンがあったけど、もしかしたらグリッドマンが憑いた時の裕太もやるべきことを見出していたのかな。

夢から覚めなければいけないと諭す裕太に押し付けがましさを感じちゃって言い返したくもなるんだけど、まぁ野暮だよね。

 

内海が目覚めたきっかけは裕太の不在に気付いたからだけど、趣味の合う美少女と仲良くなる都合の良さが信じられないという理由もあって切ないねぇ。

内海の夢はアカネがオタ友を求めているかのように解釈することも可能ではあるが、俺は違うと思うんだよな!俺の知ってるアカネはそういう娘じゃなくてさ、あれは内海の願望に精一杯応えようと演じているのであって、他人の夢に生きたり、そういう嘘を貫いてたらダメなんだ的なテーマも含めて拒絶されてんだと思うんだよな!

ただの友達としてはアリなのかもしれんけどね。

 

六花の場合は裕太と内海の中間のような雰囲気の夢で、「六花はこれが好きなんでしょ?」と迫るものの、六花の望みを何も理解できておらず空回りに終わってしまった。六花は想像以上に複雑で真っ直ぐだったのだ。

男連中と比べるとアッサリ突き放すもんだから驚いたけど、六花は夢に浸りたがるほどのロマンチストではなく、現実に対する信用度が段違いなんだと思う。俺なら保健室で一生駄弁ってる。

そして保健室のアカネがワイシャツの第一ボタンを外していた点も俺は見逃さなかった。

誰もが気にしているであろうアカネの第一ボタン問題についても掘り下げますが、なんと8話までにボタンが描き込まれているカットは僅かながら存在しており、それらは閉めてあるように見えるのですが、この9話で明確に外された姿が披露されたってワケです。10話でもアカネのボタンが外れていたので、ほぼ間違いなく9話からの変化でしょうね。学校もどうでもよくなっちゃって、取り繕う気力も無いんだろうね。剥き出しの首筋は俺を誘っているとしか思えない。

 

現実の怪獣を撃破するために新世紀中学生がグリッドマン無しで合体してたけど、いくら相手が精神攻撃特化型とはいえ、彼らだけでも余裕で戦えるところを見せてしまったのは悪手な気もする…。

 

最後にアカネが落下してネットフェンスにぶつかるところは何度も観たくなる良い動き。追い詰められたアカネちゃんかわいいね。よしよしヾ(・ω・`)

 

目覚めた後の店内も、夢みたいな光と陰影で秀逸な寝起き感。

俺は精神世界や幻覚的な話は何よりも大好きだし、どの回よりも演出極振りで一番印象的なエピソードだった。

 

 

第10回 崩・壊

アカネが一週間以上も休んで平和な日々が続いてます♪

リセットされる現象が霧の向こうの怪獣のせいだとか、影響を受けないのは我々だけだとか考えてるの遅すぎヤバすぎ。

アレクシスの言う「本当の人間は寝たりしないよ」が、『キャプテン・アース』の遊星歯車装置が語る「本当の人間」を意識したセリフなのは間違いない。アカネはずっと睡眠を取らずにいたんでしょうね。変わったってことは神の体質は気持ちの問題なのか?

アカネの家に殴り込みをかけるぞ!と、隣の家に歩いて行くだけの流れはツッコミ所でしかないのだが、友達でも家までは行かないよね~みたいな距離感を意識していたのだとしたら理解できなくもない。でもそれではあまりにもお粗末に感じてしまうし、今までは認識阻害が働いていたって解釈が適切だろう。今更なぜ認識できたのかというと、おそらく9話の夢でアカネが六花に気付かせてしまったんだと思う(うっかりさんだね)。

 

着ぐるみ怪獣は弱すぎたし、アンチがいくら攻撃してもフルパワーグリッドマンが無傷なの哀しすぎ。怪獣の死体が残ったんなら真っ二つにでもしとけよ…。

「パクってばっかのやつが勝てると思うな!」と内海が吐き捨てたセリフは本作自体にも刺さりそうだけど、アンチはこの後アンチテーゼ的に勝利するし、この10話というエピソード自体も批判を引っ込めたくなるカウンターのような凄みがあるのだ。

でも「グリッドマンは生き物の命は奪えない」っての、人に危害を加えた熊を駆除するハンターとかの前で言えるのかよって、無責任に感じてしまうんだよね。

 

追い詰められて雨の中を放浪するアカネの傘になりたすぎる。

「やっぱり怪獣は負けるために生まれて死ぬのかな」から分かるのは、アカネは大して怪獣を信用していないってことだ。

現実に絶望して神の力を手に入れた今の自分にとって都合がいいから利用しているだけ。フィクションの消費なんてそういうもん。

3話で「怪獣に正体なんてあるわけないのにねー」と偉そうに言っていたもんだが、どの怪獣もアカネが元になっているわけで、特にアンチはアカネの深層心理を象徴するような存在だし、今回じゃ怪獣から中の人が出て来てしまう始末だ。しかもその一番怪獣らしくないナナシBが一番強かったのも皮肉。

ナナシBは鋭利な形と真珠を秘めた貝のような構造でアカネの心を表しており、皮膚かゴム製のような質感と素早い動きがアニメ映えしておもしろい。

 

アンチがグリッドマンを助ける流れはベタだけど、好きに決まってる激アツ展開。

コピーとはいえ、彼はもうこのアニメのオリジナリティ代表みたいな存在になった。

「俺には見えているぞ!新条アカネ!」は悔しいくらいアンチにしか言えない最高のセリフ。

アンチは単なる怪獣ではなく、ナナシBと同じくアカネの心そのものと言えなくもないので動きを読むことができたんだろうし、そんな彼が「どこでも好きなとこ行きなよ」と言われてグリッドマンの元へ向かい、最後にアカネが「グリッドマンと話してみたかったな」と呟いたことからして、アカネの根底にはヒーロー願望があるんだろうなと察せられる。

裕太…アカネに刺された時、おっぱいも当たったんだろ?

 

 

第11回 決・戦

裕太が刺される衝撃の開幕。カッターナイフであの出血量はなかなかエグイ。 

アカネは趣味の道具を凶器として扱い、本体を直接狙わないお約束も破って墜ちるところまで墜ちた。

リセットされなくなった世界は不完全な構造が剥き出しになって痛ましいけどサイバーな終末感は好き。

 

六花や内海が無惨な死体を見て嘔吐するような描写でもあれば、皆のショックがより深刻に伝わったと思うんだけどな。まぁ吐く六花が見たいだけなのですが。

 

ボラーの「お前がグリッドマンなんて認めねーからな」を聞いて、アンチは邪道路線とはいえ本物で、主人公みたいな存在なんだなと改めて感慨深くなった。

内海が「お前たちがいつも足で踏みつぶしてる一般市民の代表だよ」と言ってくれたのは凄く良い。アンチに向けつつ今まで少しも触れずに流していたグリッドマンにも刺さってそうな鋭い視点だ。破壊前提の迫力ある戦いを楽しんでいた内海が言うと説得力に欠けるが、内海にしか言えないことではある。

やるべきことが無い彼のやるせなさには共感するしかないんだけど、「これ以上裕太に…裕太の身体に何させるんだよ」「裕太を殺す気かよ!」みたいな正論も、一般人発言と同じく誰かが言ってやるべきことだったと思うし、作中での必要性は充分にあった。

 

今までの裕太が自分を裕太だと思い込んでるグリッドマンだったと判明したことで本当の裕太のキャラクター性が極薄になってしまったわけだが、1話で記憶喪失になっていた裕太に内海が大した違和感を抱いていなかったことから、人間性においてはグリ太と本当の裕太は同じだと考えていいと思う(いつもとキャラ違うぞ!って言われていた時は除く)。

 

グリッドナイトが大量の怪獣と乱闘するけど「グリッドナイトサーキュラー」「グリッドナイトストーム」「ナイトキャリバーエンド」などの技名が安直で笑っちまう。

今まではグリッドマンが出てこないと変身すらできなかったのに、次は君の番だと言われたかのように立場が変わったな。

 

六花さんの「私はアカネの友達。私はそれ以外に生まれてきた意味なんていらないよ」はあまりにも極端なセリフだったので、頭の中が「???」に満ちてしまったけれど、まぁ六花は思ったことをそのまま口にするタイプとして描かれてきたし、情動を怪獣で表現してきたアカネとの対比だと考えれば納得できなくもない。

アレクシスの「どうでもいい話の最中に失礼するよ」はけっこう好きで、百合くせえ間に思いっきり割り込む度胸は評価せざるを得ませんね。

 

 

第12回 覚醒

お前が怪獣になるんだよ!と、アレクシスの手でアカネがバケモンになっちゃった…。まぁ元々バケモンみたいな女だが。

ナナシB以上に籠るようなデザインで防御力が高そうだし、叫び声はまんまアカネ。

 

グリナイがフルグリと並ぶ画は普通にカッコイイし、「ナイト爆裂光波弾」ってネーミングセンスがマジでダサくて好き。

 

内海の無力感は仕方ない。友達として居るだけでいいって描き方は暖かいなと思う。

 

アカネ救出を任されたアンチの頑張りは応援したくなるし、引き上げる手のイメージが怪獣みたいだったのも良い。

失敗作としてアカネを救い、万能じゃないことを思い知らせて、怪獣は負けるために生まれてくるわけではないと証明し、どこまでもアンチを体現していた、マジモンのアンチヒーローなのだ。

 

グリッドマンが本当の姿に成る際、SSSSの意味が「Special Signature to Save a Soul」であったと明かされますが、資料によると後になって思い付いた言葉らしい。

アメリカ版グリッドマンのタイトル『Superhuman Samurai Syber-Squad』からとった説も有力ですが、アメリカの出入国などでチケットを発行した際に決まる二次的な荷物検査の対象者をSSSS(Secondary Security Screening Selection)と表記することから、異物的な要注意人物という意味もかけたのではないかと俺だけは考えています。

 

アレクシスとグリッドマンの戦いは全編作画でギュンギュン動く。

追い詰められたグリッドマンからキラキラした粒子が漏れ出し、まるで精通を迎えた少年のように勢いよく放出するフィクサービーム!

「それだけではない!」からはマジでギャグ。フィクサービームにはオトクな効能が盛り沢山なので、アカネの心だけでなく世界の存続問題も解決だ!

結局ビームで治すのかよって肩透かし感もなくはないが、それくらいの力を加えないと救えないほどに歪んでいたのだろう。

いよいよ決着かと思えば、いきなり無限の命と限りある命の話が最重要テーマであるかのように語られ始める。そのテーマは『キャプテン・アース』で描かれたものとほぼ同一であり、これも意図的な作りであると推測できます。ただSグリの取り入れ方は意味不明なほど唐突で、キャラクター性からしても体現の説得力をほとんど感じられず、俺自身が不老不死をネガティブに扱う価値観にウンザリしているのもあるし、生まれ持った特性(だよな?)を一方的に否定されて殴られるアレクシスが気の毒に見えてくるまであって、限りある命が強いとかいう主張は少しも響きませんでしたね。

生き物の命は奪えないとアンチを見逃していたグリッドマンさんが殺す気マンマンだったのもアレだけど、アンチと違ってアレクシスには明確な悪意があるので、厳しく成敗する必要があるのは納得できるんですよ(それでも極端だと思うけど)。

でもなぁ…不老不死は生き物じゃないからヨシ!みたいなさ、定命優生思想というか、もはや差別的な都合のいい基準で動いてるようにも見えてしまって怖かった。

グリッドパンチのモーション自体は普通にかっこよかったです。

 

戦いが終結し、片付けられた部屋で六花と対話するアカネの泣き顔が反則だよ。

タイツもパーカーもメガネも外した君は儚くて美しい。特に太ももが良い。

卑怯者で臆病でズルくて弱虫。美少女じゃなかったら救おうとは思わん。

悪意から解放され、殻を破った君は罪悪感に苛まれながら苦しみ続けるだろう。

俺なんかが赦しても仕方ないし慰めもしないけど、変わりたいと思っているのなら応援するよ。もう君は何処へだって行ける。

六花の「私はアカネと一緒に居たい。どうかこの願いが、ずっと叶いませんように」は12話で一番気の利いた最高の言葉。俺も叶わないままずっと一方的に想っていたい

結局あの部屋に入れた者ってアレクシスとアンチと六花だけだったんだよな。特に六花とアンチはアカネから分裂したような存在なので、彼らの想いを大切にすることは自分自身を愛することにも繋がる。本当に自己肯定が大事。

1つに戻ったはずのグリッドマンとアシストウェポンどもが分離しているのは意味不明だが、あの場所は超空間っぽいので何でもアリってことにしておこう。

2人の会話に混ざろうとしなかった内海がアレクシスと真逆でなんか笑える。 

 

アフターフィクサービームでは一般人の記憶の保持と復活がなされたのかが曖昧で、視聴者の解釈が分かれてくるところだ。

精神世界の修復、創作者が出しゃばった添削の修正をメタ的に考えると、亡くなった人達の復活はありえなくもないだろう。BD特典のボイスドラマの話になってしまうが、アカネと同じ容姿の少女が突然に沸いたことから、人々の意識にも影響は与えているんだろうし、どうとでも解釈可能な余地がある。

でも個人的には、失ったものや奪ってしまったものを安易に戻すような話にはならないで欲しい。

 

なぜ裕太にグリッドマンが入ったのかという謎も残っている。

アカネよりも六花に惹かれていたことが一番の理由だろうけど、六花が何気なく言っていた、アカネの隣の席だったという点も見落としてはいけない。

これは妄想でしかないのだが、アカネが無意識に理想的な男子として裕太を生み出して(裕太がアカネの好みだとしても、そのデザインが自覚的なものとは思えないんですよね)、あくまで無意識に隣の席へ配置していたとしたら…愛おしすぎて泣けてくるな。彼女が無意識にヒーロー像を求めていた裕太とヒーローであるグリッドマンの波長が合ったと考えれば、さらに説得力が増すのではないか。

皮肉(?)にも裕太に宿ったタイミングは六花に何かしらの想いを伝える瞬間だった。

アレクシスとアカネの関係も、お互いに退屈だったからこそ築かれたものであり、奇妙なエモさがある。

 

アンチくんのオッドアイ化には痺れた…。怪獣である事実は変わらないが、それを受け入れたうえで彼の中の人間らしさがハッキリと覚醒したのだ。やはりヒーローとは宿り、成るもの。良いとこ持っていきすぎだろ。

 

 

そしてまさかの実写パート……実写アカネが新条とまったく似つかない見た目で驚きましたが、俺も妄想世界での自分はアニメキャラ顔の別人になっているし、中二病の夢男子的には納得の描き方でしたね。アニメで見せられる表現としては嫌いですけど、ギリギリ第四の壁は超えておらず物語の品格は保たれていたと思う。

目覚めた実写アカネの部屋に定期入れが映されていましたが、既に持っていた物であるにもかかわらず(あの世界から物質化したとは思っていません)、新条アカネは受け取った際に思い出すことが無かった。

おそらく定期入れはしばらく使わずにいて忘れていた物であり、棄てる場所として機能していたジャンクショップの娘から渡されるという形に、感慨深い意味が含まれていたのかもしれません。

キーボードは趣味なのかなと意外でしたが、存在だけなら6話でジャンクショップに出てきている。6話の感想でも書いたけど、音楽関係の悩みがあったとも考えられる。

六花がよく音楽を聴いていて、アカネのヘッドホンはファッションやメタファー的にしか機能してなかったことも関係してそうだ。

グリッドマンが入っていたジャンクだって、アカネが手放していた憧憬のようなモノが形になっていたのかも。

平然と存在している『プロメア』のポスターや写真立てなども不思議なんだが…もしかするとラストシーンは、実際に目覚めてからそこそこの時間が経ち、メンタルも社会性も改善された後の姿で、ごく普通の起床だった可能性すらある…。

六花はアカネ本体の投影なのでは?といった考察があるらしいけど、俺はその説が好きじゃないので否定しておく。友情物語としての感動が崩れてしまうし、六花はどこまでもアカネの夢の住人かつ自分から離れた存在であったほうが、なんつーかロマンティックじゃないですか?

 

途方に暮れて夕暮れを彷徨っていたアカネをアレクシスが夜に引き込み、グリッドマン達が朝に導いた。グリッドマンのおかげで新条アカネの創った世界は拡がって形になり、アカネと六花達はそれぞれの世界で生きていく。切なくもポジティブな別れは青春モノとして大好物です。いつかアカネの顔も声も思い出せなくなったり、事故や病気で突然アカネが死んだとしても、六花は何も知らずに生きて行くんだなぁって思うとゾクゾクする。アカネも現実で大切な物が増えていって、あの世界のことは忘れてしまうのかも。でも何かがきっかけで何十年越しに思い出してほしいなって希望も抱かせる。この切なさ…想像するだけで絶頂しそうになるね。

グリッドマンがメインのヒーローとして描かれていましたが、勇敢に扉を開けて旅立ったアカネも、このアニメを観た悩める誰かの目にはヒーローとして映ったはずだ。

アカネが抱えていた苦しみの詳細は語られませんでしたが、限定されないからこそ多くの人に響くのだろう。

奪うばかりの神だったが、最後に素晴らしい勇気を与えてくれた。まぁ俺の心は奪われたままなんだけどね(笑)

皆の優しさに触れた君なら、後悔も流した涙も、きっと自分の優しさに変えていける。

俺も「もう戻ってくるなよ~!」って、精神病棟や刑務所の中にいるような気持ちで見送ろうじゃないか。

サブタイから消えた「・」は解き放たれたビー玉を意味していたって考察を見たことあるけど、おもしろい仕掛けで感心した。

でもやっぱり俺にとっての君は、俺の心と生活を取り返しのつかないほどに歪ませてしまった怪獣なんだよ。

どうしてくれるんだよ…俺、こんなになっちゃった…。

 

創作が与える影響についても考えたい。

好き勝手していたアカネは、見方を変えれば怪獣という創作物に影響されてしまった殺人鬼として捉えることも可能で、あらゆる意味で君は危険すぎる。

創作物がサイコを生み出すなんて考えは否定されるべきで、大抵のサイコは最悪な現実から生まれるもんだと思うんだけど、フィクションがサイコの想像力を掻き立てて表現のきっかけになってしまうケースは、残念ながらあるあるでしょうね(アカネのメンタリティーはサイコというよりもクソガキだと思うけど)

でもポジティブな影響も確実にあって、結果的に彼女は創造物に救われた。

頭の中の出来事だから結局は自分と対話してただけとか、作者より頭が良いキャラは創れない的な論が頭をよぎったけど、キャラが勝手に作者の意図しない存在に変質していくことも実際あるわけで、自己完結ではない他人による救いが成立していたのは見事でした。

こうしたフィクションの影響力に自覚的な作品は好感が持てる。

 

 

といった具合に読み取れば、アカネは救われて現実を頑張るよ~って解釈で終わるのが普通だと思うのだが、ぶっちゃけ俺にはどうしても、実写アカネと新条アカネを同じ存在として認めることができない。ここまで書いといて何言ってんだって自分でも思うが言わせて欲しい。俺はこのアニメを夢オチとして解釈したい。

アカネの場合は本当の姿に戻ったとかではなくて、新条アカネの意識・存在はリアル少女の覚醒と同時に消え去ったんだ。あの姿で、あの考え方で、あの環境で生きてきた新条アカネは、間違いなくあの瞬間にしか存在していなかった。本物か偽物かなんてどうでもいい、オンリーワンの花が咲いていたんだよ。実写パートへの突入と同時に新条アカネは死んだのだ。

俺は二次元贔屓気味で、ヒロインの死が性癖だから、そう思い込みたいってのもあるけどな!

皆が実写アカネをアニメのアカネと同一視して受け入れるのなら、せめて俺だけは、消えてしまったアイツを唯一無二の新条アカネだと想い続けるよ。それが俺の使命なんだって確信している。

そんな君に永遠を感じているから、これからも決して独りじゃないんだ。

そもそも夢を見ていたアカネ(仮)はガチガチのオタクではないかもしれないし、世界に絶望しておらず人間関係に悩んですらいなかった可能性は否定できないんですよね。

夢の中って本当に別人として生きることがあるからさ。

アニメそのものが演出過多だから、むしろ制作側が作り物っぽさとか夢らしさを助長してるんだよ。

六花も死んだことにしたっていいけど、昔見た夢の舞台と同じ夢を何度も見ることだってあるから、夢の世界は持続する解釈で通すのもアリ。

まぁだからといって全てが幻想だったと極端な切り捨て方をするつもりはない。

辛かったことも楽しかったことも、六花と交わした約束も、最後の確かな変化も本当だ。全部夢でいつか忘れたとしても、全部本当でいい。

写真立てにAKANEと書いてあるように見えたので名前の違いまで疑う必要は無いだろう。

コンピューターワールド?DYNAZENON?…何だそりゃ?

 

 

まとめると

キャラデザと声優の演技の良さは言わずもがな。日常描写は演出・空気感・レイアウト・萌え的にも質が高い。

戦闘シーンはスケール感も重量感も持った違和感の無いCGが素晴らしくて、作画のアクションではスピーディーな動きが魅力的だった。

でもバカ作品みたいな勢いあるノリを入れつつテーマ性を詰め込んだり、カットに意図を含めすぎてる計算された優等生感が鼻につくし、キャラの掘り下げをボイスドラマなどに頼りすぎなのも好きではない。熱く見えるだけでおもしろくない瞬間は多いしまさよし、戦闘中の挿入歌も多用すぎて飽きる。登場人物の冷静でシュールなセリフは笑える時もあるけど狙いすぎ。生々しい自然体に見えて、作り込まれてるなぁと脚本やキャラ造形とか声優による芝居であることを意識させられ興醒めする。

イマドキのリアルな学生なら問題の解決に時間がかかるはずだッ!って謎の確信のもと作られているので冗長なんだけど、敵がクラスメイトだから葛藤が強くなるとか、アカネや怪獣による認識阻害とか何やらもあるだろうしで、一応納得はできる作劇に収まっている。でもやはり、おもしろさにはほとんど繋がってない制作側の自己満足なんだよね。

昔の特撮・ロボアニメを意識したであろう画が異様に多く、一部は擁護し難いほどに露骨で辟易してしまう。ほとんどはオリジナリティに昇華されていたから気にせず楽しめたけど(ほとんどキャラクターに関してだけど)、これはアレのオマージュなんだ!って気持ちが先行してる下品なモノも少なくなかった。「凄いアイデアだ!」と思った所がパクリだったと知った時の何とも言えん感覚は本当にめんどくさい。小物や人物にも引用が多く仕込まれているらしいが、どれも知ったところで「そうですか」って感じで心底どうでもいい。元ネタ解説オタクが大量発生してたりするので、他人の感想を漁るにも布教するにしてもなかなかしんどいものが目に入る。もし初見の人(非オタ)に勧めるなら純粋な気持ちでフラットに観てもらいたい。作中にオタクを皮肉るような視点はあるけど、オタクを謙虚にはしなかったようだ。

でも大半の問題は、この物語を夢オチで捉えれば全て許せる。どのオマージュも夢の主が見てきた作品の反映であり、本物やコピーのテーマも考慮すれば必要性を見出せるのだ。

このアニメを冷静に評価するなら60点くらいになりそうだが、新条アカネの解釈によっては1億点にまで跳ね上がる。そんな神話。もう数年は観ないで思い出にしたい。

放送から数年経ってもスパロボとかアズレンのコラボで見かけるようになりましたが、俺は本編至上主義なので「そういうの」はマジでどうでもいいんだよな。

 
 
 
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音楽

youtu.be

OPの映像・歌詞がキャッチーすぎて最高。陰謀論みたいなフレーズが印象的。

 

youtu.be

EDも最高。画が強すぎ。

六花の幻覚だと考えることも可能だし、最終話以降にもアカネが居れば~とか、六花とアカネが同等の存在だったら~みたいなifとしても見れますよね。ただラストカットは最終話以降の景色なんだろうな。

 

インストもめっちゃ聴いてる。ミックスが良いし、バンドサウンドのアニソンではトップクラスに好き。

 

劇伴は『HumanLove_CH_edm_all』『HumanLove』が好き。何度も聴きたくなるような曲は少ないな。

 

 

Wヒロインの魅力

新条 アカネ 

まず目を惹くのはピンクのグラデーションが魅惑的なサラサラヘアー。ピンク一色ではなく半分ほどは灰色であり、上から色を被って塗りつぶそうとしたような曖昧な色合いは、世界に染まり切れないまま本当の自分を必死に隠しているかのようにも見える。

ショートだが短いとは感じさせないボブのボリューム感はベストで、前髪と左のサイドでまとまっている先端の別れた触覚的な部分がチャーミング。

そして瞳は宇宙だ。渦を巻く銀河のような虹彩が美しく、瞳孔はまるでブラックホール。その中心には確かな光もあるんだ。俺以外も惹き込んでしまう凄まじい引力は君の唯一の問題点。

紅い輝きは瞳の奥に隠した熱情が表れているのだろう。

何かを企むようなジト目や、怒りや驚きで余裕の消えた目も美しい。その眼差しはメドゥーサも顔負けなほど、俺をカチカチにしてしまうね。

物理的に距離を詰めて話しかけてくるだけでも厄介だし、見下ろすような位置取りと上目遣いの使い分けも巧みだ。俺以外にやるな。

 

引きこもる君は日本神話の女神か、それとも城に囚われたお姫様か…

神や天使と呼ぶには不適切なほど悪魔的で人間味に溢れたバッドガール。

美貌に関しては非の打ち所がなく、文句のつけようもないのに…愛おしいほど不完全。

 

オーバーサイズのパーカーはまるで虚栄心。

少しだけ見える肩がもどかしくて、どこか臆病にも見える萌え袖から出た指先は今すぐに掴みたくなる。シルエットは大きく見えるが、1枚脱がせばあまりにも華奢。

きっとシャイなんだね。俺は全て理解ってるから大丈夫。

もちろん最も触れたい部分は胸部だ。君の抱える闇のように深い谷間、でも本質はとても敏感で柔らかな、ゴーヤベックも霞んでしまう最高峰のおっぱいなんだ。その不変のバストに秘めているものはケータイだけじゃないはずだろ。俺には全部さらけ出してくれ。

そして2本の脚は蹴ったら折れそうなくらいに細く、絶対領域に見えなくもないグラデーションがあるタイツには釘付けになってしまう。

部屋に入れば窮屈だったかのようにタイツを脱ぎ捨て、露になる生脚と凶悪な態度のコントラストがとても罪深い。

胸担当などと言われがちだが、俺からすれば脚においても最高なのだ。でも足首から下には興味が無いから、素足は別に好きじゃないんだ。

夏場でもパーカーとタイツを着ている理由は、彼女自身が夏の気温以上にホットだから。

どんな姿でも魅力的だけど、俺が一番好きなのは…ワイシャツとスカートとタイツを着て、布団の中で俺を待ってるキミだな。

割れた色眼鏡越しの歪んだ視界を一緒に見ることはできないけれど、その裂け目を埋められるのは俺なんだろうなって思う。

あからさまに世間の遮断を感じさせるゴツいヘッドホンは、ケーブルの位置の描き込みが割とテキトー。それを外してイヤホンの片方を貸してあげたくなる。

 

 一体どこで学んだのか…アカネの笑顔は俺以外に見せるなと言いたくなるほど可愛らしいが、リアルなリアクションを追求した作風であるにも関わらず、目を閉じてニッコリとするアニメチックな笑顔を振り撒く彼女は、不思議と浮いて映ってしまう。

アニメの表現としては当たり前のものだし、他のキャラも目を閉じて笑うくらいはしているけれど、アカネの回数はやけに多い。そのほとんどは優等生を演じるための作り笑いなのだろう。俺をどれだけ翻弄すれば気が済むのか…全部お見通しだけどね。

 

もちろん声も最高。囁きも、甲高い声も、荒々しい叫びも、魂まで響く美声。

でも言葉使いには少々トゲがあるね。その唇を塞がれる覚悟が必要だよ。

 

五感は機能しているみたいだけど痛覚は無いようで、外部からの衝撃や気温などの影響を受けることもなく(かといって無敵マリオみたいなものではない)、食事・睡眠…お花摘みなどの生理現象も必要無いものだと考えられる。円盤の特典CDで「食べてるのを見るのが好き」と言っていたのは神っぽかった。なぜか飲み物だけはあからさまに摂っているけど、心の乾きや秘めた渇望の表れだろうか?

俺としては君が遠くに見えるオアシスのようで、乾かされている気分なんだけどな。

ブックレットでは発汗しないと明確に書かれており、つまりタイツはまったく蒸れず、臭うこともないはずだ。これは本当に素晴らしい事ですよ。

故に入浴はしてないんだろうし、パッシブ的にデフォルトで全身が無味無臭なのかもしれない。

OMG…どこまでも俺の理想のタイプ。

しかし5話では川に落ちてむせたり煙にケホケホしちゃってるし、崩れた山道を1人で越えることもできなかったので、身体能力は常人と変わらないのだろう。

肺が機能しているなら窒息を狙えば勝機があるかもしれませんね。首絞めか水責めか…夢が広がる。

2話の渡り廊下、4・8話のバス、5話の岩の上、7話の階段などなど、いちいち相手よりも高い位置を取ってしまう君が好き。9話で地に落ちて、10話で地面に座り込んだり、11話で六花より低い構図になってる君も好き。アニメ演出の奴隷だね。でも俺達の間には演出なんて不要さ。

この肩書だけのカミサマ気取りは自分を万能だと思っているんだろうが、皆と変わらず呼吸して水分を欲する生き物だ。感情的で幼稚だし神らしい威厳は欠片もない。立場も所詮はアレクシスありきのもの。完全美少女だけど不完全。そんな君だから…俺はこんなになってしまったんだろうな。

夕暮れでもないのに茜色に染められる。これが決して色褪せないものだと証明したいから、こんなものを書いているのかもしれない。

どこをとっても繊細で全身メタファーみたいな女、それが新条アカネ。

 

アカネは様々な呼ばれ方があるのもおもしろくて

アレクシスの「アカネくん」

Arcadiaの「アカネちゃん」

クラスの女子や9話で彼氏になった裕太の「アカネ」

ほとんどの男子や9話で初対面だった六花の「新条さん」

本人がいない時に限る内海の「新条」

アンチとグリッド・ウェポンどもや内海もたまに言ってる「新条アカネ」

あと「神様」がある。他はたぶん無いでしょう。

「アカネさん」と呼んで他の誰とも違う雰囲気を出したくなるし、クラスメイトっぽい絶妙な距離感を演出できる「新条」も悪くないし、なんとなくフルネームでも呼びたくなる女だよな~とか思ったりしたのだが、俺はあえて名前を呼び捨てにする。俺とアカネはそういう関係だと思ってるんで。

 

男の影が一切無いのはアカネにその気が無いから当然ですが、潜在的な好意を植え付けられた人々で溢れた世界に居てナンパやストーカーの被害に遭遇していないとは考えられないので、おそらくアカネに言い寄るタイプの連中は早い段階で全滅している可能性が高い。ザコめ。

インターネットでは「ぼっ…ぼくも同じなんだよアカネちゃん…」みたいに近付こうとするオタクどもが目に付くが、そいつらは自分のコンプレックスを君に重ねて安心したいだけのヤリモク野郎だ。停滞の誘惑に負けず、時には俺すらも置き去りにして進んで欲しい。

俺は見ての通り誠実に想いを寄せているのですが、趣味嗜好においてはアカネと噛み合う部分が少ないんじゃないかと不安がある。

正直に言えば怪獣よりもモンスターやクリーチャーが好きだし、特撮ジャンルにはほとんど興味が無いうえに、トマトが大嫌いだからトマトジュースも駄目だし、彼女はiPhone派だけど俺はAndroid、ふたばちゃんねるを見ているらしいけど俺はオタクじゃないのでふたばなんか知らん。

こんな俺がアカネの好きなものを好きになれるかは難しいだろう。でも逆に言えば可能性があるってことだし、そもそも全部が同じである必要は無いわけで、その違いを受け入れた先にある関係はきっと強固で尊いものになると思う。否定も強要もしないよ。大事なところですれ違わなければいいだけさ。

アカネは趣味を共有したり他人の理解を求めたがるタイプのオタクではないから、同じ考えの人と相性が良いはずで(矛盾はしていません)、つまり俺達はきっとうまくいく。そうだろアカネ?なぁ!?

 

そういえば、ブックレットにて雨宮監督が「アカネちゃんと同じタイプのオタクです(笑)」と述べていたのだが、押し付けがましいオマージュ満載の作品を作っておいてそれはないだろ(笑)

 


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キャラソンも読み取りますけど、所詮はキャラソン。なんだかんだ本編の外で展開されたモノなので、俺はこの歌詞をあんまり信用していません。でも好き。

歌詞に合わせた編集の公式MVはなんだか痛々しくて、ぶっちゃけ背中が痒くなる。

初めて聴いた時には絶妙に古いメロだなってだけの印象だったけど、キャラへの愛が加速してからはいくらでも聴けるようになってしまった。キャラクターソングは音楽性だけで判断できないなと実感しましたよ。こんな気持ち…君と会うまで知らなかった。

「制服と道徳とチャイムが縛る檻の中から連れ出して」「未来閉ざす進路指導室」は中二病じみた言い回しで深みがあるように聞こえるけど、それは被害妄想に近い歪んだ認識なんだよ。

うそつきだと自称する君は本当に嘘が上手すぎる。管理怪獣やバジャックよりも皆を惑わすほどにね。そのあどけない唇から飛び出す巧みな嘘が俺のためかと思うと嬉しいよ。俺は人を疑うのが苦手だから何度だって騙されてあげる。

でも「独りだって笑えるんだね」と自分の苦しみまで偽ろうとする君を見るのは辛い。そうやって騙し続けていれば自分を愛せなくなってしまうし、俺が気付かないままでいると思っているのなら、俺を見くびりすぎなんだよ。オマエのことなら全部わかる。周りを頼って自分を大切にして欲しい。

もし「もっと君を知りたい」なんて言われたくて、わざと下手に誤魔化しているのだとしたら…君はとんでもない策士だな。駆け引きも退屈しない。

望み通りに弱みまで、もっと君を知りたいから、夜は素直になるまで寝かせられないかも…。

終盤の「嫉妬されたい」も秀逸。嫉妬されたい場合に相手への情報を制限するのは非常に効果的で、もっと君を…いや、ぜんぶ独占したくなる。

君の誠実さを信じているけど、他の男に色目を使って俺を妬かせるような行動をしないか心配だ。俺はNTRもイケるからやめてください。

 

実はYouTubeのMVはフルサイズよりも1分ほど短くカットされている。

お互いの距離を知らずに

ふたり眩しく笑いあえた

そうあの日の私たちまで戻れたならいいのに

 

言い訳と後悔と蛇足が染みて蒸れた上履き脱ぎ捨てて

 

だって私泣き虫なのに

君の前で涙が出ない

ずっと君を知らずにいれば

独りだって気付かず夢見たのに

といった部分がカットされているのだが、この辺りの歌詞はアカネが想いを寄せる明確な"相手"の存在を示している。もしかすると、外から愛を送るガチ恋勢の没入感を邪魔せぬよう、編集担当が気を使ってくれたのかもしれない。よかったねガチ恋勢さんたち。

俺だったらその不器用な好意に応えて、独りだなんて思わせやしないのに…。


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2021年にSpotifyで1番聴いた曲になってしまった。

 

 

毎日というか時々というか極稀にだが、アカネとの夜の営みを考えることもある。

本編の振る舞いからはサディスティックなイメージがなくもないけれど、ベッドの上ではマゾだと思うんだよね。

アレクシスに操られていた経験、怪獣と共に負かされ心を折られ続けた日々、多くの人間を死に追いやった罪悪感…これらはマゾに目覚めるきっかけとしては充分だろう。

彼女は自分への罰として激しいプレイを求めるんだ。後ろからね。

痛めつけても痛みは感じないだろうけど、呼吸をしているから首絞めによって肉体的な苦痛を味わおうとするのさ。

でも俺には愛があるから、イチャラブな絡みも欠かせない。頭を撫でられたり優しいキスが好きらしいよ。

アカネのプライバシーもあるので、これ以上は想像にお任せします。

 

 

ついでに、あれだけ繊細なアカネと最も近い友人関係を築いていた古間とまるさんにも触れておきたい。

パッと見の雰囲気が陽なので実際に会ったら萎縮してしまいそうだが、別に不良とかスクールカーストを意識するような人間性ではないだろうし、ユルい生活態度や適度な距離を保ってくれる居心地の良さ、オタク趣味関係なく付き合えるフラットさは理想的な友達だ。特にまるさんは自主的に勉強したりダンス部に所属している描写があって容姿も凄く良い。クラスを掌握するうえでは必ず抑えておきたい人物だろうよ。

8話ではアカネが裕太達に自慢した怪獣と技術を素直に褒めてくれたけど、同じ回でアカネが2人も居るはずの学園祭を躊躇なく襲おうとするので、やはり作り物扱いなのかと悲しくなってしまう。

以降2人は登校してこないアカネを純粋に心配し続けていたし、アカネが学校に休みの連絡を入れたと読める描写はあったけど、2人のメッセージには返信していないのかもしれない。そのまま何も言葉を交わさず別れてしまったのだ。

でもアカネが扉を開ける前にしていた回想(?)の最後のカットが古間まるだったのが何とも言えん気持ちにさせる。まぁアレはアカネが認識していないシーンなんですけどね。

俺が思うに、10話の感想で述べたような怪獣を利用する動機と同じく、古間まるは新条アカネとしての自分を維持するために都合のいい存在で、好感を持っているのは間違いないけど作為的な組み合わせだったんだろうな。

 

 

宝多 六花

黒髪セミロングのJK、好きに決まってるだろ。

誰かの支えになれるような強さを感じられる太い脚、一度でも捕らえられたら抜け出すことは困難であろう太い太腿、本人は気にしているという裏設定に同情してしまう肉厚な下半身…。とにかく壮大だが、キャラデザ的には当時のトレンドを掴んでいる絶妙な太さである。

ピンクの虹彩を含む青い瞳はビュリフォ。アカネが去っても君には彼女の影がずっと刻まれているんだろうね。

実写オチにしたことで存在性が完全な二次元キャラになってるのスゴイな〜。

各話の感想で充分に語った気がするので特に言いたいことは無いが、1つだけ言っておきたい。アカネと比較するとマジでイイ女だな…。

 

トリビア

キャラの名前に込められた深み

トランスフォーマーとか企業名が元ネタにあると耳にしたことはあるが、だからなんだよとしか思わんので、独自に解釈してみる。

まず六花という名前を文字通り6の花とし(本来は雪の別称)、そこにアカネを一輪の花として足すと七花…つまり紫陽花の別称になります。その花言葉は無常や移り気といった変化を表すものであり、本編でアカネに必要だった出来事も変化だったんですよね。2人の関係性の尊さがよく分かる。

そして花の色によっては「辛抱強い愛情(青)」「元気な女性(ピンク)」や「寛容(白)」といった意味があるらしく、青は六花、ピンクはアカネ、白はアンチ(キャラのイメージカラーはキャラソンのジャケットから)とすれば、それぞれがキャラの印象と近しい意味が当てはまって全てが繋がります。そういうことです。

さらに追求すると、新条アカネという名前は「新アカ」と略すことが可能で、これを「新規アカウント」と考えればキャラクター性にハマりますよね。

基本設定の段階でこれだけ練られているとは驚愕だ。

 

 

SSSS.GRIDMAN=LDH

ボイスドラマ第12.12回にて、新条アカネのコピー元とされる女の子が「三代目 J Soul Brothers」が好きだと元カレ情報を交えて話している。

曲名まで出された『R.Y.U.S.E.I.』(2014年)の歌詞は、Sグリの内容に繋がる部分があると俺の中だけで話題になっている。


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七つの流星 絡み合いながら進む

交じり合ってひとつになる

最終話のアクセスフラッシュ(新世紀中学生4人+グリッドマン+裕太+アンチ)は間違いなく『R.Y.U.S.E.I.』をリスペクトしてのものでしょう。

頻出する「SHOOTING STARS」「STARS SHINE」の頭文字を取れば「SSSS」になるのも偶然とは思えない。

LDHはLove,Dream,Happinessをテーマに掲げていて、これらはどれも本編の中で重要な要素だった。

GRIDMANのDがLDHのDと一致していることも無視できません。

 

2018年の6月に、三代目JSBは『FUTURE』というアルバムをリリースしており(Sグリは10月放送)、収録されている曲の歌詞と本編を照らし合わせれば、なんと作品のテーマをより深く掘り下げることができます。やっぱりボイドラは制作側の粋なヒントなんですよね。

とにかく大事なのはポジティブ精神だってことが伝わってくる。

特に『HAPPINESS』の歌詞は繋がる部分が多すぎる。個人的には裏主題歌だと思っています。Bメロの四字熟語は、アカネの作った怪獣の肩書きが四字熟語(TRIGGERがTwitterに載せたアフレコ台本の表紙参照)であることを連想させますし、特に2番の「捲土重来」はメカグールギラスと同じであり、「百花繚乱」怪獣もスピンオフ小説で登場したらしい(未読)。残った「勇往邁進」と「不撓不屈」はアカネへのメッセージとして考えればピッタリだろう。サビも六花達の心情そのもので完璧だ。

歌詞では愛しい「あなた」を薔薇と表現しているのですが、セイヨウアカネの根から採れる色素で染めたような紫の強い赤色は、ローズマダー(madderは茜を指す)と呼ばれているので、この歌詞とアカネを重ねるのは容易。

「愛で満たすしかない」は真理。これはアカネに通ずるだろ…ってフレーズが多い。聴けば分かります。

 

12.12回の数字を足せば24…つまり”本物”をテーマにした『24karats』シリーズにも行き着きますね。『24karats -type EX-』『24karats STAY GOLD』『24karats GOLD SOUL』『24karats TRIBE OF GOLD』なども本質に迫っていますが、中でもアナザーストーリー的な『24WORLD』は、Sグリに与えた影響を強く感じ取れます。


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そうデジタルが溢れる近未来

でもアナログな繋がり信じたい

この部分からはアカネが貰った定期入れを想起させ、全体のタフな歌詞は、「アカネはさ、どこへ行ったって堂々としてないと」と伝えた六花の想いに重なるのではないでしょうか?

 

タイトルからも察せられるように、EXILEの『real world』と『HERO』もアカネを表しているかのような歌詞だった。

 

アレクシスが無限の魂を持つ者として描かれていましたが、無限と聞けばLDHが生み出した最高のエンタメ作品『HiGH & LOW』に登場する伝説のチーム「ムゲン」を想い浮かべる人も多いでしょう。ムゲンといえば最強の男である琥珀、そしてグリッドマン化した裕太やアレクシスの目は琥珀色と言えなくもない事実。

さらにムゲンのテーマ曲『MUGEN ROAD』は、限りある命を叫んでアレクシスを殴ったグリッドマンを思い出さずにはいられません。


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この拳で Knock it down

一瞬の命燃やせ Burn up

その未来(さき) 憂(うれ)うな Burn out 

刹那(せつな)に火花散らし 焦がし尽くす魂

 

そしてGRIDMANの監督の名前は雨宮哲…雨宮といえばハイロー最強クラスのキャラである雨宮兄弟がいますし、監督が認識している可能性はさらに高まるのだ。

 

ホント…監督のLDH愛には圧倒されますね。

 

 

おわり