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HoneyComeBearの『Revolver』ヤバッ!

とにかく観て、聴いてください。

MVありきと言える曲だけど、だからこそ1つの作品としては格別で心に響いた。

キャラデザも制服のデザインもめっちゃ良いし、絵コンテまで見たくなる。

ドロップが抑え気味な曲の構成からハニカムベアーの変化を感じられるし、ストリングスと重い低域で演出される劇的な雰囲気と、アニメーションMVの衝撃的な展開で凄まじい余韻を得られた。

単にKawaiiで消費したくない世界がある。

情報量が乏しいのでほとんどが妄想になってしまうのですが、これは絶対的な関係である2人の片方に成り変わろうとしたけど盛大にフラれてしまったモブキャラと、それを突き放した主人公の物語ってのが、とりあえずの解釈です。

あまり好きな言い方ではありませんが、百合に混ざりたがる奴は許されない!に近い意志を感じますね(俺はそういうの嫌いじゃないけど)

 

歌詞を読み取る際には、赤髪ちゃんが「私」、茶髪ちゃん(みんな黄色ちゃんって呼んでるけど…)が「あなた」、青髪ちゃんが「君」であることを意識すれば分かりやすい。

 

とはいえ、茶髪ちゃんの正体に関してはいくら考えても難しいから、頭を整理するためにも3つの説を考えてみた。

例えば、赤髪ちゃんの隣にいたくなって青髪ちゃんを殺してから近付いた、詰めの甘すぎるサイコおバカさん説で考えてみると、奪った指輪を馬鹿正直に着けてくる茶髪ちゃんが本当にバカで理解に苦しみます。でも同時に、その必死さがメチャクチャ切実で何とも言えない気持ちにさせられる。

35秒辺りでピンッと飛ばされる消しゴムは、青髪ちゃんとの思い出を忘れない赤髪ちゃんの覚悟を表しているように感じた。

 

 

もう1つは、赤髪ちゃんの記憶が消えたことになっていて、茶髪ちゃんが自分との思い出で塗り潰そうとしていた説だ。

それならば奪った指輪を堂々と着けていたのも分かるし、顔を隠したモブのSFっぽさにも納得できるし、ノイズみたいなフラッシュバックもそれっぽく見えるし、35秒辺りの消しゴムが記憶消去を意味しているとも考えられる。

最初にこの考え方が浮かんでいたけど、自覚的な歌詞とのすれ違いが生まれてしまうし、最初の茶髪ちゃんバカ説の方がしっくりくるんですよね。

どちらにしろ赤髪ちゃん的には、わざと気付いてないフリを続けて茶髪ちゃんが幸せを感じてきたところで一気に糾弾する計画だったんだろうな。

戯言だと早い内から気付いていたのなら、もしかしたら赤髪ちゃんは過去の再現に依存していた面があったのかもしれないし、茶髪ちゃんの好意自体は嬉しくてなぁなぁにしていた可能性もありえるけど…まぁこれこそ戯言かもね。

 

 

3つ目は割とガチなのだが、茶髪ちゃんは赤髪ちゃんの別人格だった可能性に行き着いた。

まず気になったのは瞳の色で、青髪ちゃんの瞳が赤色なのは納得なんだけど、赤髪ちゃんの瞳が茶髪ちゃんの色、茶髪ちゃんの色が青髪ちゃんの色ってのは不可思議だ。

さらには、赤髪ちゃん視点で描かれている(であろう)物語なのに、茶髪ちゃんがやらかした時のフラッシュバックが入ってくるのも奇妙に感じちゃって、もしかしたら同居してんじゃないの?と思ったワケ。

あとホラ…2人とも胸が小さいし…。

そして「進路希望は白紙のままだ」って部分と、鳥かごや鳥居から感じる捕えるようなイメージを汲み取ってみると、いつか卒業して別れてしまう青髪ちゃんを永遠にしたいという願望の暴走から生まれた茶髪ちゃんが勝手に殺しを実行し、耐えられなくなった赤髪ちゃんは自死を選んでしまった…なんて可能性も、否定はできないと思うんですよ。

「君だからいけなかった」なんて加害者の言い回しみたいなのよね。

茶と赤の行動が、青と赤の過去に重なるのなら、0:55からのバス停では青髪ちゃんから別れを示唆する会話が行われたのではないかと推測できる。

それならバス停を描いた意図と、胸を痛める動作の意味も分かってくるのだ。

ときめいちゃったのカナ?とも思ったけど、雨が降っていたうえに暗く見える演出だったし、きっとネガティブな痛みだったはず。

となれば、歌詞の「あなたの戯言に猫を被っている」は青髪ちゃんの言葉を受け入れられない状況にもなり得る。

そもそも指輪を渡すような出来事のきっかけが謎で、例えば別れを前にズッ友の証として渡したのだとしたら自然な流れでしょう。

1:54と3:06の笑顔が作り笑いに見えるのは俺だけ?

終盤の回想の中で1度だけ不自然に映ってるモノクロのモブ(たぶん茶髪ちゃん)の立ち方が赤髪ちゃんと同じである点にまで納得がいきますね。

もちろん、いくつか穴のある考え方ではあるけれど、別人格説はけっこうアリだと思うよ。もう俺は冷静に考えられそうにない。

 

え?茶髪ちゃんは青髪ちゃんの別人格説?

それ以上はやめろ!戻って来れなくなるぞー!

 

ただ確実に言えるのは、茶髪ちゃんは規格外のおバカさんだってこと。故に混乱してしまう…。

 

どんな解釈を貫くかはアナタ次第ですよ。

 

 

演出単位で興味深いシーンもあって、1:17からの画は境界を描くように柱が中心に置かれて鎖も張られているのだが、黄色の注意マークから左側はモブ(茶髪ちゃん含む)が多く、でも赤髪ちゃんは赤いポスト(?)と被っていて、青い線の入った柱から右側は赤髪ちゃんと青髪ちゃんの尊い空間であり、茶髪ちゃんと思われるモブはモノクロかつ顔無しの状態だ。細かい言語化が難しいんだけど、生きてる世界の違いを感じさせますね。

 

1:25で赤い花と赤髪ちゃんを並べて映し、空の鳥かご(?)越しに花瓶と赤髪ちゃんを見せていたのは対比として捉えられる。花瓶には水が入っているんだろうけど、赤髪ちゃんの心は青(水色)髪ちゃんが不在で空っぽになっているのだ。たぶん。

単純に囚われている心情を表しているのかもしれないし、二重人格説で青い鳥の童話なんかと照らし合わせると、青髪ちゃんを籠の中に捕らえていたかった願望が垣間見えたりもする。

 

リボルバーを突きつけられた茶髪ちゃんの焦った表情はマジでかわいい。

隠していたリボルバーの元々の意味は青髪ちゃんへの恋心のようなもので、茶髪ちゃんには復讐心として向けることになったのではないだろうか?

「許せなかった」のは自分のことでもあるんじゃないのかと、なんとなく思った。

 

最後のドロップで真実の記憶が駆け巡る勢いはたまらないし、あれこそが正しい時系列で、茶髪ちゃんが最初から指輪を着けていたのは別の意味でも異常だったのね。

茶髪ちゃんは立ち位置から駄目だったよ。青髪ちゃんは常に赤髪ちゃんの左側に居たってのにさ。

指輪の位置も中途半端で、2人のように指輪も合わせられず、ラストで一方的に死体の手を握るだけだったのも哀れだ。夕焼けと青空の対比も強烈。

青い空と頻繁に映り込む鳥居は青赤の関係性が神域であることのモチーフのようで、背景で目立たない無地の鳥居は外野に過ぎない茶髪ちゃんを表していたのかなとか…考えてて辛いぞ。

青髪ちゃんの髪が緑色になっていたことについては、何かのレイヤー効果じゃない?ってくらいの興味しか湧かず、あんまり深い意味があるとは思えなくて思考放棄しました。

 

それはそうと、青髪ちゃんの指輪の位置が数パターンある理由がどうしても分らない。

終盤の回想の中では茶髪ちゃんと同じ右の薬指だったし(ただの使い回し?)(つーか赤髪ちゃんが指輪を見て微笑む時の指輪の向きが逆なんだよな)、殺された時の指輪は左手の小指から抜かれていて、ラストでは右手の小指という暴れっぷり。

見えない時には外しているだけなのか、描き込みの問題なのか(でも茶髪ちゃんはほぼ全カットで着けてる)、指によって意味があるのか、触れないほうがいいやつなのか…俺の頭では判断しかねる。

指輪の解釈に関しては自信が持てないですね。

 

というわけで、読みづらい文だったと思いますが、考察もとい妄想はここで切り上げます。

たった3分30秒に詰め込まれた詞・音楽・アニメーションの凄みを存分に堪能できました。そしてこれからもハニカムベアーの描く世界に没入していきたい。

 

 

ついでに俺のハニカムベスト10っ(Revolverは除く)

HoneyComeBear - Mirror (Official Audio) - YouTube

やっぱコレ。

表に出せない女の子同士の秘め事を官能的に綴っている歌詞、盛り上がりすぎない上品な曲調、ギターとシンセとカットアップの気持ちよさが最高。

 

HoneyComeBear - Sunflower(Official Audio) - YouTube

メロディもサウンドもめちゃくちゃ好み。これは普通にインスト聴きたい。

Kaakoさんが言うには、3年前の夏の曲を守ってあげられるように作った曲らしいのだが、確かに『ナツゾラ』では明確な救いは感じられない。

『Sunflower』には幽霊視点のようなフレーズが多いし、「交差点の中 迷い込む君の 背中を押す」は事故死のショックから立ち直らせたがっているようで、イラストも直球にゴーストだから、亡くなった友人の話という解釈が的確だと思うけど、個人的には引っ越しの話(または幽霊説も含む)ってイメージもなくはない。

泣いてない夏の空と、ただ上を向く向日葵が、前向きな意味であって欲しいですね。

 

HoneyComeBear - Calling (Official Audio) - YouTube

近未来の世界観。「何百年も生きて行けるこの世界で~(略)~同じような日々でいいよ」がロマンティックで好き。身体の機械化でもしてるのかな。

歌詞も音色も明るめでドロップも最高。何度も聴きたくなる。

 

HoneyComeBear - アキレア (Official Audio) - YouTube

世界の終わりを前にして君のもとへ勇ましく逢いに行くって感じかな。

全体の美しさ、Bメロで加わる疾走感が特に好き。

Spotifyの歌詞に致命的な誤字があるのでYouTubeの概要欄を見ましょう。

 

HoneyComeBear - Defy (Official Audio) - YouTube

EP『Intro』のジャケットイラストがスニーカーちゃん。

EDM構成ではなく、少しアップテンポなバラードって感じ。運命に逆らおうと傷つき傷つけながら突き放す、切ないメタ的な歌詞が非常に好み。

『Outro』収録の後日譚みたいな『Clockwise』も良曲。

 

HoneyComeBear - Twilight (Official Audio) - YouTube

荒廃した世界を感じさせるけど力強さがある。『アキレア』と似てるかも。

とにかく曲がカッコイイ。

 

HoneyComeBear - IDOL (Official Audio) - YouTube

最後の「いたむ僕」は悼むにもなり、歌詞の解釈は転校や自殺が正当だろう。

アイドルとは言われているけど、モテる女子が周囲の悪意に苦しんでいたっていうミニマルな捉え方もアリだと思うし、個人的な好みではアイドルの熱愛発覚とか、ただただ心の内も明かしてもらえず触れられない高値の花を描いているのではと考えたくなる。

なんにせよ思い込みの強い後方彼氏面の妄想みたいだし(褒めてます)、霊的に考えても切なくて、ベースラインのせいか歪にも感じてしまう、意外と怖い曲。

これと『Calling』が一緒のEPに入っているのもおもしろい。

 

HoneyComeBear - Dear (Official Audio) - YouTube

童話的で聴きやすいピュアな曲。

初めて聴いたハニカムがコレだった気がする。

 

HoneyComeBear - またね (Official Audio) - YouTube

ゆったりとしたFuture Bassっぽい曲。よく分からんが、連絡先を交換しろと言いたくなる歌詞。俺も別世界に迷い込んだような深夜徘徊をして、夜明けと共に消える繋がりの切なさを知りてえ。

 

HoneyComeBear - Missing (Official Audio) - YouTube

覇ニ華ム部屋。ループ的な設定の話なのかな?

壮大な雰囲気のリフレインと嘆きに近い感情が乗っているようなドロップが印象的。

 

アッ…手が滑った